求人が来ない!人手不足の解消法「弱みを強み」に変える策

求人に応募が来ない

中途採用で起こりがちな問題の一つに、自社で出した求人に応募が来ないことが挙げられます。新たな人材が確保できないことによる人手不足を解消するには、自社で出した求人に必要数の応募が集まらない原因を正しく把握し、対策を練ることが大切です。

  1. そもそも応募が来ない
  2. 応募は来ても求める欲しい人材ではない
  3. 辞退される

名選手・名監督として有名な某野球評論家の方が「負けに不思議の負けなし」と言うように、これら3つが起こる事象には必ず理由があります。

今回は、応募が来ない理由とともに、実施すべき対策や採用成功のポイントなどについてご紹介します。これら3つが起こる「理由」と、その「対策」を考えていき、それを通して「貴社にしかない強み」を見つける方法を見つけていきましょう。

求人に応募が来ない原因・人手不足解消の対策

そもそも応募がこない

高い掲載費用をかけて募集を開始しても、そもそも応募が来なければ話になりません。その原因は一体どこにあるのでしょうか?またどんな対策があるのでしょう?

自社の魅力が伝わっていない

端的に言ってしまえば、求職者にとって貴社の魅力が全く求職者側に伝わってないということになります。(=魅力的ではないということです。)

年収が低い・福利厚生が手薄・休みが少ない、もしくはシフト制などで不規則・経営基盤が不安定など、中小の零細企業やベンチャー企業によく見られる事象です。

しかしながら、全く魅力のない企業は世に1つとして存在せず、必ず何か一つは魅力になり得るところがあるはずです。

何か少しでも魅力的に感じることがある会社だからこそ、従業員は退職せずに、働き続けている社員がいるはずです。勤続年数の長い社員に会社の良いところを聞いて回ることも良いかもしれません。

求人の露出方法がいまいち

求人に応募が来ない場合は、求人の掲載手段を見直すことが必要です。ハローワークや求人誌、転職サイトなどさまざまな媒体にまたがって掲載できると、自社の求人をより多くの求職者に見てもらう機会を作れます。

たとえば、求人誌に掲載した情報をSNSで拡散するなど、複数の採用方法を組み合わせることが有効です。また、それぞれの求人媒体には特徴があり、閲覧する応募者にも違いがあるため、自社の求める人材に合わせた求人媒体を利用することが効率の良い採用活動につながります。

多くの求人情報に埋もれてしまわないよう、掲載数や自社の掲載順位などを調べてから掲載することも重要です。

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求人広告(転職サイト)比較

求人情報を詳しく記載できていない

仕事内容や応募資格、給与についてなど、求人情報はできるだけ詳細に分かりやすく記載すると良いでしょう。

簡潔すぎる文章では、企業の魅力や働いた後のイメージが湧きにくいため、応募につながりにくい傾向にあります。求人募集がうまくいかないときは、求職者目線に立ち、必要な情報を詳しく丁寧に記載できているかを見直しましょう。

「1日の仕事の流れ」や「入社5年目の月収例」などといったように、実例などを交えながら詳しく記載されていると、より分かりやすくなるのでおすすめです。

求職者へのアピール方法が間違っている

このような場合は、「求職者に対してのアピール方法」が間違っている可能性があり、それを正しく修正できれば、応募数アップのチャンスは獲得はできるはずいくらでもあるはずです。

例えば最低水準しか年収が出せない企業が、そこをアピールしても当然応募数は来ません。

しかし、最低水準だとしても、貴社で働きたいという何か他の魅力ポイントは必ずあるはずです。

そのポイントは各社従業員が1人1人、必ず持っていますので、決して人事の中だけで考えるのではなく、彼らの率直な声を社員に聞いてみてください。それが貴社の強みの1つかもしれません。

社員の声などのクチコミを反映できていない

2021年に行われた大手転職サイト「エン転職」の調べによると、転職活動において最も参考になったのはクチコミサイトであると答えた人の割合は全体の25%にのぼります。

「企業選びの軸」に合致するか、企業を知る上で、一番参考になったもの

出典:エン・ジャパン株式会社

このことから、多くの求職者にとって応募を決める際に先輩社員の生の声がいかに重要であるかが分かります。実際に働いている人でなければ分からないような情報は、応募への大切な判断材料になるだけでなく、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。

営業職を募集するときは既存の営業社員の声を記載するなど、求める人材に合わせてクチコミサイトなどに積極的に記載すると良いでしょう。

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募集しても求人が来ないのは人手不足が原因?

これは自社ではどうにもできない問題にはなりますが、人手不足の大きな要因の一つには日本の人口減少が挙げられます。

日本の総人口は、2008年時点の1億2,806万人をピークに年々減少傾向にあるのが特徴です。11年後の2019年には200万人減の1億2,617万人となっており、2055年には9,744万人まで減少することが予想されています。

総務省|平成28年版 情報通信白書|人口減少社会の到来

出典:総務省「平成28年版 情報通信白書 我が国の人口の推移」

さらに2022年現在、日本では人口に対する高齢者の割合が増える「高齢化」と若年者の割合が減る「少子化」が同時に進む「少子高齢化社会」が深刻な問題となっています。企業における労働力を表す「生産年齢人口」も1995年の8,716万人以降は減少傾向にあり、2025年には7,085万人まで減少すると予想されているのが現状です。

そして、労働人口の減少に伴い、2010年以降の日本の採用市場は、求職者より企業の求人数が上回る「売り手市場」が続いているため、日本全体における人口減少や少子高齢化社会による労働人口の減少は、自社の求人に応募が来ない原因の一つとして考えられるのです。

人手不足の現状と不足感を感じる業種

人手不足に対する企業の動向調査(2022年1月) | TDB景気動向オンライン

出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2022 年 1 月)」

2022年1月に行われた帝国データバンクの調査によると、企業全体の47.8%が正社員の、28.0%が非正社員の人手不足を感じていることが分かっています。ここでは、人手不足になりがちな業種や会社の特徴を見ていきましょう。

情報サービス業

情報サービス業は、34歳までの離職率が高く、正社員の人手不足を感じる企業が多いのが特徴です。

ITやクラウドサービスなどの技術進歩に伴い、多岐にわたる情報サービスの需要が高まっています。大幅な需要増加に対し、必要な知識を持った人材を十分に確保しづらいことも情報サービス業における人手不足の大きな原因の一つといえるでしょう。

飲食業

若年層や非正社員の雇用が多く、短期間での離職率が高いのが飲食業です。

また、飲食業界全体のイメージとして競争の激しさによる廃業のリスクなどがつきまとい、雇用が安定しないと考えられる分、求職者が敬遠してしまう傾向にあります。賃金水準の低さや休暇の取りづらさなどといったイメージも、飲食業の離職率を上げ、人材不足を進めている原因です。

建設業

建設業は、中小企業における34歳以下の離職率が高い職業です。

仕事内容によっては危険作業も多く、年齢によって作業内容に制限が設けられるケースもあるため、働き手の高齢化に伴って人手不足が発生します。

また、建設業には「きつい・汚い・危険」などといったマイナスイメージを持つ若年層も少なくありません。長時間労働や休みを取りづらい傾向にある点も、建設業に人が集まらない理由の一つといえます。

運送業

インターネット通販などの普及により、運送業の人手不足も深刻化しています。賃金水準の低さに対し、届け先不在による再配達などの手間や拘束時間の長さから就業イメージが悪化し、新たな人材確保が難しくなっているのが運送業の現状です。

大手企業も含め人材不足が慢性的に起きている業界であり、人手不足による個人の負担増加も問題視されています。

医療・介護福祉業

医療・介護福祉業界は、高齢化が進むにつれて需要が増加している職業です。人の命や健康に関わる業界であるため、責任や身体的負担を感じやすいといった特徴を持っています。

夜勤や急な呼び出しなどが発生することもあり、大変なイメージを持たれやすい点が人材不足の要因の一つといえます。

また看護師に関しては女性が多い職業であり、出産や子育てなどといったライフスタイルの変化に伴って離職するケースも多いのが特徴です。

応募は来るが、欲しい人材ではない場合の対策

欲しい人材じゃない

実はこのケースが1番深刻だと言われています。この応募ばかり来るケースは、ある程度の時間やコストがかかっているのにも関わらず、結局採用できないというパターンですので、結果的に無駄な時間を過ごすことになってしまいます。

また応募そのものは来ている分、「もしかしたら、いつか欲しい人材から応募があるかも」と淡い希望を抱き続けるが、なかなかそう上手くいかず、欲しい人材以外からの応募ばかり、という悪循環に陥っていく可能性があるので、しっかりと対策をしていきましょう。

欲しい人物像をはっきりさせる

自社が求める人物像が明確でない場合、応募者の見極めが難しく、アンマッチな応募者が来る状況につながっている可能性があります。

企業ビジョンや現場での意見を取り入れた上で採用ターゲットを具体的に設定すると、求人情報もはっきりと分かりやすくなり、求職者の認識とのズレも防げます。

人間性もよく見て採用活動を行う

中途採用においては、即戦力を求めて人材を募集する企業も少なくないでしょう。

前職での経験や専門知識、豊富なスキルはとても魅力的ですが、周囲と足並みを揃え、柔軟に働き続けられる人材かどうかという点も非常に重要です。社会人歴がある人物を迎えるときこそ、人物像を良く見極めた上で採用活動を行うようにしましょう。

前職での経歴などをしっかりチェックしたいという場合には「リファレンスチェック」や「バックグラウンドチェック」がおすすめです。

途中で辞退されてしまう場合の対策

辞退される採用担当者が避けたい展開の一つとして挙げられるのが、応募者の途中辞退です。

辞退の理由はさまざまですが、原因によっては自社の取り組みで未然に防ぐこともできます。ここでは、応募者の途中辞退を防ぐための方策を見ていきましょう。

求人や面接の内容に齟齬がないようにする

求職者の多くは、求人広告や募集要項を見て応募を行い面接などの選考に進むため、選考時に応募段階で知った情報とのズレが生じてしまうと、信頼関係に関わります。

選考中の途中辞退を防ぐためには、求人情報にはできるだけ詳細情報を分かりやすく記載し、面接や内定後の内容と一貫性を持たせた採用活動を心がけましょう。

スピード感のある選考をする

求職者の中には、他社で内定が出たからという理由で応募を辞退する人もいます。

一番初めに内定が出た時点で併願する会社を辞退するケースも珍しくないので、他社との差別化を図るためにも、選考をスピーディーに進めることが重要です。

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面接のやり方を変える

面接は求職者を選別する場、合否を決める場だと思っていませんか?

勿論、面接は求職者を篩にかける場でもありますが、求職者側も企業を選別する場でもあります。

ただ圧倒的に売り手市場の昨今では、誰もが知る大企業でない限り、面接は求職者に対して、会社の魅力をアピール&アプローチする場がないと採用成功がするのは難しい状況まできています。

比率としては選考要素2~3割、アプローチ要素7~8割といったところです。

職務経歴書を見れば、その人が持つのスキルをおおよそ把握できますし、面接では、その経歴書に嘘偽りがないか確認さえすれば、あとはぜひアプローチする場として活用してください。そして特に2回目の最終面接のときには、「求職者を口説き通す」というぐらいの意気込みやスケジュール感が理想だと思います。

そうすると、求職者は「こんなにも私のことを必要としてくれている!」と承認欲求が満たされ、確実に意向が醸成し、入社意欲が高まるでしょう。

自社の弱みを強みに変えて「応募を増やす」ポイント

厚生労働省の調べによると、日本国内で2020年に就職した約710万人のうち、およそ469万人は転職です。

1年間で仕事に就いた人の約6割以上が転職だというデータは、転職市場の激化を物語っており、とくに中小企業にとっては中途採用の難しさを感じざるを得ない状況でしょう。

しかし、大手企業のような知名度がなくても、中途採用を成功させている企業は多く存在します。ここでは、自社の弱みを強みに変え、中途採用を成功に導くためのポイントをご紹介しましょう。

自社のアピールポイントを明確にする

多くの企業が中途採用に挑む中、他社と同じアピール方法では多くの求人に埋もれてしまいがちです。

「福利厚生が充実している」「社内の風通しが良い」など、自社ならではの特徴や魅力を見つけ、積極的にアピールすることが他社との差別化につながります。

また、実際に大企業から中小企業へ転職した人の意見として、「業務の幅が広く、やりがいを感じる」「アットホームでコミュニケーションが取りやすい」などの声があります。なぜ転職を希望しているのかという求職者のニーズを捉えたPRポイントを押さえることが有効です。

応募者に完璧を求めすぎない

即戦力を求めがちな中途採用では、選考基準も厳しくなる傾向にあります。

現時点で十分な知識や豊富なスキルを持っている人材だけに限定せず、潜在能力やポテンシャルの高さという観点で視野を広げ、採用活動を行うのもおすすめです。求職者の中には、キャリアアップを求めて転職を希望する人も多く存在します。

ある程度は入社後に育成することを考え、研修や資格取得費用のサポートなどといった支援制度の充実をPRできれば、将来的に自社の戦力となり得る人材確保につながります。

まとめ

本日は、採用についての強みと、応募者に関しての対策を中心にお話致しました。

売り手市場が続く状況下での採用活動は、競合他社との差別化を図り、自社の魅力を分かりやすく求職者へ伝えることが重要です。

仕事は、何をするかよりも、「誰と働くか」を大切している求職者が増えていると最近ではよく聞きますが、そんな中でも「承認欲求を満たしてくれる企業」=「自分の居場所がある」と感じるため、社風や社員との人間関係などが合う・社員の仲が良い・良い人が多い、といった風に貴社の良い雰囲気とプラスなイメージを魅力的に感じ取ってくれると思います!

求人になかなか応募が来ない場合や、人手不足にお悩みの企業は、ぜひご紹介したポイントを採用活動に取り入れていきましょう。

また採用がうまくいかない原因は、他にもあるかもしれません。中途採用で失敗しやすい企業の特徴4つを下記にまとめていますので、合わせて読んでみてください!

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