2019年に総務省が発表した「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」で注目すべきデーターがあります。具体的には20代のSNS利用率ランキングが発表されています。結果は以下の通りです。
第1位 LINE(98.1%)
第2位 YouTube(92.8%)
第3位 Twitter(76.1%)
このデーターから学生や求職者の採用に利用頻度の高いLINEを活用することが注目されています。
そこでこの記事では、「LINE公式アカウントの基礎からメリット、利用料金等」を解説します。
LINE公式アカウントとは
そもそもLINE公式アカウントとは、企業や個人オーナーに向けたビジネス用のLINEです。本アカウントの会員数は約300万件を超えており、現在、最も注目度の高いコミュニケーションツールです。
主な機能は以下の6つとなります。
メッセージ配信 | 友だち追加したユーザーに対してメッセージを送ることができます。 |
タイムライン投稿 | 友だち登録したユーザーのタイムラインにコンテンツを投稿することができます。 |
LINEチャット | ユーザーと1対1で直にコミュニケーションをすることができます。 |
リッチメニュー | LINE公式アカウントのトーク画面を訪れた時、画面下部に企業広告に誘導するためのメニューが設けられています。 |
ショップカード | ショップオーナーは、自店のカードを作ってユーザー発行することができます。 この機能を使ってリピーターを増やすことが可能です。 |
クーポン・抽選機能 | ショップオーナーは、自店で使えるクーポンや抽選を作れます。 この機能を使うことでリピーターを増やすだけで無く、クーポン履歴を見ることで効果測定もできます。 |
なぜ採用活動にLINEを使うのか?
前述した通り、LINEは若者に最も活用されているSNSです。このため、LINEを採用活動に利用することは、応募者からの返信率が高まります。
従って企業側は効率的に採用活動が可能になるため、LINEを活用している訳です。
学生のLINE利用率
昨年、人材サービスのマイナビは「2021年卒 大学生のライフスタイル調査<日常生活編>」を発表しています。
この調査結果によると就活生の内、LINE利用率は男子が96.6%、女子が98.7%でした。この数字から分かるように就活生にとってLINEは、必須アイテムです。
LINEを採用に使うメリット
LINEを採用に使う主なメリットは以下の3点です。
応募者からの反応が早い
LINEは、若者に最も活用されているSNSです。
このため、応募者はLINEの機能や操作を熟知しています。また、メールだと返信の文章を考える必要がありますが、LINEだと要件だけの短文を送っても違和感がありません。従って応募者からの反応が早い傾向があります。
メッセージが確実に届く
従来のメールだと迷惑メールに振り分けられて見て貰えない可能性があります。
また、LINEであれば送信者もはっきりしているため、応募者はメッセージを破棄することなくメッセージを閲覧します。
作業コストを低減できる
従来、応募者との連絡は個別にメールや電話で対応していたため、時間とコストを要していました。
ところが、LINEを活用することで採用管理システムの機能が使えます。これにより、多人数へメッセージを一斉配信、単純な問い合わせの自動配信も可能です。この結果、採用企業側の作業コストを低減できます。
LINEで採用活動を始める手順
ここでは実際にLINEで採用活動を始める手順をお伝えします。具体的には以下3つのステップで採用活動を開始しましょう。
ステップ1:就活生をLINEに集める
最初にすべきことは就活生を集めることです。このためには就活生にLINEの友だちになって貰う必要があります。
勧誘方法としては、就活生のメリットとなる動画(業界別の攻略法や面接成功の極意等)を提供する代わりに友だち登録して貰いましょう。勧誘率は文字情報に比べて動画の方が数倍高いと言われています。
ステップ2:友だち登録した就活生に情報を配信する
次のステップとして友だち登録頂いた就活生に採用情報を配信します。
配信方法は友だちに対して一斉配信することが可能ですので、手間を掛けずに多くの人に情報提供できます。情報提供は週3回程度の頻度を守り、文字数は3分程度(約1200文字)で読める量です。読み手の負担にならないような情報量を心掛けましょう。
ステップ3:LINEチャットを活用して就活生をフォローする
このステップは、就活生を自社に応募して貰って採用までをスムーズに導きます。
就活生一人ひとりに個別でコミュニケーションを取れるLINEのチャット機能を最大限に活用しましょう。就活生からの質問や相談には丁寧に回答することで信頼関係を結ぶことができます。
LINE公式アカウントの料金はどのくらい?
ここでは最も関心の高いLINEの料金体系について説明します。プランは「フリープラン」「ライトプラン」「スタンダートプラン」の3種類が用意されております。
フリープラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
月額固定費 | 無料 | 5,000円 | 15,000円 |
無料メッセージ通数 | 1000通 | 15,000通 | 45,000通 |
追加メッセージ従量料金 | 不可 | 5円/通 | ~3円/通 |
制限事項としてフリープランの場合、月間の無料メッセージ数を超えるとメッセージを送ることができません。これに対して他の有料プランは、1件毎に追加料金を支払えば追加メッセージを送ることが可能です。
LINE公式アカウントを利用する際に注意すべき点は?
LINEを利用する際の注意点を3つお伝えします。
メッセージのコンテンツはルールを作る
メッセージの運用は前述しましたが、頻度(週3回)と情報量(1200文字)が大事です。特にメッセージの内容は最も重要ですが、難しく考えずに自社の身近な情報発信を心掛けましょう。
コンテンツ例として「自社の部門紹介」や「昨年入社した新人の1日密着レポート」等が有効です。
アクセス数を適時確認して解析する
企業としてメッセージを一方的に発信するだけで無く、就活生の効果測定も重要な課題です。
アクセス数を適時確認してメッセージを変えていくことを心掛けましょう。具体的にはLINEの管理画面からアクセス数を確認することができます。発信者としては辛いかもしれませんが、日々のアクセス数を解析することでコンテンツの内容や発信曜日の最適解が見つかる筈です。
上から目線のコンテンツは配信しない
これは企業の根本の立ち位置に関わることです。
採用活動は、企業側が選ぶという意識があると上手くいきません。採用活動で自社を選んで貰うという意識が大前提です。この意識を持ってコンテンツを作ることで就活生に支持されるメッセージを作ることが可能となります。
メッセージ発信者は常に就活生と対等の立場でコンテンツを発信しましょう。
まとめ
今回の記事は、LINE公式アカウントを採用活動に使うことを前提に企業の成功事例や注意点等を解説して来ました。
今後、企業の採用活動にLINEを使うことは益々、増えていくと思われます。そしてLINEは就活生とのコミュニケーションツールとしては最適です。
しかしながら企業としてこれまでと同じ意識でLINEを使って採用活動を続けていても上手く行きません。ツールが変わるだけでなく、企業側も変化が求められています。企業側は就活生に歩み寄って双方が対等の意識でコミュニケーションを取ることが成功の鍵を握ることになると考えます。
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