油断禁物!「内定後」辞退に至る学生の心理

「内定後」辞退に至る学生の心理

今回のテーマは【内定後の辞退】についてです。

内定を出した学生、内定を承諾してくれた学生が目標人数に到達して一安心…。と言いたいところですが、内定を出した学生はもちろん、内定を承諾してくれた学生を無事に新入社員として迎えるにあたって大切なのは今からなのです。

内定後の辞退率

24内定辞退率

PRTIMES記事『23・24卒生対象 内定承諾・辞退の決定要因調査』2023年1月実施 株式会社インタツアー

株式会社インタツアーが発表した調査によると、24卒の内定辞退率は、2023年1月時点において、すでに28.1%にも上っていることが明らかになりました。大手就職サイトのグランドオープンが3月であるのに対し、それ以前に既に3割近くが内定辞退の経験があり、かなり選考が進んでいる状況が伺えます。

また、23卒の内定辞退率をみても、8月時点で内定辞退率は6割以上となっており、内定を出しても半数近くの学生が辞退をしてしまうのが現状です。24卒は前年以上に早期化していると言われているため、今年はより一層内定辞退者が増える可能性も考えておかなければなりません。

23卒内定辞退率

画像引用:就職プロセス調査23卒

4人に1人が複数社に内定承諾を出す

さらに以前、MyReferが行った意識調査によるアンケートで、4人に1人が複数社に内定承諾を出す予定という回答を行っていました。

内定を保持している中で、いくつ内定承諾をしようと思っているか2021年3月に卒業予定の大学生、大学院生のうち、1社以上から内々定を受けている就活生403人を対象に「内定を保持しているなかで、いくつ内定承諾をしようと思っていますか」というアンケートでは、「1社」65%、「2社」18%、「3社以上」7%という結果でした。

複数社に内定承諾をしようと思っている理由

なぜ、学生は複数の企業に内定承諾を出すのでしょうか。その理由は、不景気による内定の取り消しが不安だからというもので、半数近くの学生が内定取り消しに関して不安を抱いているという結果が出ました。

最終的に1社に絞り込む時期は10月~12月

そのためか、最終的に一社に絞る時期についてのアンケートも10~12月と答えた学生が45%と最も多く、半数以上が内定式後に辞退していくということになります。

これは一方の内定が取り消された時のためにギリギリまで内定を複数持っておきたいという心境の表れかもしれません。

「内定後に辞退」をする学生心理

では、学生が内定を辞退することを決意した心理や本音について詳しく見ていきましょう。

  • 第一志望の企業に内定をもらったので心苦しかったが他社は辞退した
  • 他社にも内定を頂き悩んだが、早く内定をくださったもう一方の企業に入社したいので
  • 面接官や従業員の態度や言動が威圧的で恐ろしかったため
  • 就活を終わるように迫られ、不信感がうまれたので
  • 内定を承諾後、全く連絡がなく不安になったため
  • 面接時と内定後では条件の提示内容に差異があったので
  • 内定者インターンで合わないと感じたため

などと様々な理由がありますが、企業側の行動一つで変わる理由も多いです。

辞退理由ランキング

先述した株式会社インタツアーの調査では、辞退の決定的な理由として、「面接官の態度・印象が悪かったから」という学生が55.8%にもなっています。

辞退の理由

PRTIMES記事『23・24卒生対象 内定承諾・辞退の決定要因調査』2023年1月実施 株式会社インタツアー

「内定後」の辞退対策

では、どうすれば内定辞退を防げるのでしょうか?

早い段階での条件提示

「待遇や条件」は、入社を決意するための重要な意思決定要因です。

しかし、求職者からは、「条件が最後の最後に提示される」「中には、条件提示なく内定取得を促す」企業が多々あることに不満の声が上がっています。優秀な人材ほど、他社から内定を取得している可能性は高く、条件提示が遅いことで他社を優先してしまい辞退につながってしまいます。

選考プロセス自体の早期化

「他社の選考が早く進んだからそちらに決めた」という辞退理由もあり、選考全般を通してスピードが重要になっています。

面接調整などの連絡を可能な限りスピーディーに行うことはもちろん、もし結果連絡や日程調整に時間がかかりそうであれば、「いつまでに連絡するか」などを約束することで好感度が上がります。

また、他社の選考状況が進んでいることを聞けていれば、自社の選考プロセスを短縮するなど、対策は打てるものです。「自分のためにここまでしてくれるのか」と応募者に思わせることで、採用成功に近づきます。

定期的な内定者フォロー

例えば、内定者へ月に1回でも連絡を取っていれば学生の不安も減少し、少なくとも上記にあったような「連絡がなく不安になったから」という理由での辞退は防げるのではないでしょうか。

採用が早期化して、内定から入社までの期間が長くなっているからこそ企業側の内定後フォローが重要になってきています。

最後の1社に選ばれるには!

就活を行う学生は、本命企業のすべり止めや、予行練習などとして複数社企業へ応募します。

しかし、入社できる企業は1社のみなので、複数内定をもっている学生は入社を決めた企業以外を辞退することになります。当然、内定辞退を回避するためには「最後の1社」に選ばれる必要があります。

では、複数社内定承諾を持っている学生から「最後の1社」に選んでもらうためにはどうしたらいいのでしょうか?マイナビが行った学生アンケートから紐解いていきたいと思います。

入社予定先企業を選択したポイント

22卒 23卒
福利厚生が充実している 30.8% 32.4%
自分が成長できる環境がある 34.0% 31.9%
希望する勤務地で働ける 26.1% 31.7%
社員の人間関係が良い 28.5% 28.6%
企業経営が安定している 25.4% 24.4%
給与や賞与が高い 20.7% 23.8%
社会貢献度が高い 20.4% 19.3%

23卒が入社予定先企業を選択したポイントとして挙げているベスト3は「福利厚生が充実している」「自分が成長できる環境がある」「希望の勤務地で働ける」でした。学生にとって、いかに”自分にとって良い環境で働くことができるか”ということが重要だということが見て取れます。

学生は、将来に希望をもって就職活動をしています。つまりはどれだけ学生に「キラキラしている自分を想像させられるか」がカギだということです。

そのためには、上記アンケート結果を参考にするのがベストです。入社後に成長できる環境があるということをしっかりと認識させ、福利厚生で他社に負けないポイントがあればそこもきちんとアピールしてみてください!

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辞退連絡の対応

最後に採用担当者必見!辞退者に返せるメールの鉄板テンプレートを紹介します。

採用を考えていた応募者から辞退の連絡が来てしまった時の対応のポイントをまとめました。

  1. しつこく引き留めない。
  2. なぜ辞退するのかといった理由を追求しない。
  3. 採用選考に応募してくれたことへの感謝の意を伝えた上で、社内で検討後どうしても入社してほしい人材であるならば面接日を応募者の希望日に合わせるなど誠意と熱意を伝える。

ただし、それでも辞退されたときは決してしつこくせず、すぐに身を引きましょう。

辞退者への返信メールテンプレート

件名:選考辞退の受諾の件
—————————————————–
○○ 様○○(人事)部の○○と申します。
この度は、弊社の社員募集にご応募頂き誠にありがとうございました。
弊社としても誠に残念ではございますが、採用選考辞退のお申出を受付けました。
なお、これまでお預かりしました履歴書等
<を同封いたしますので、ご査収ください/は当社にて破棄いたしますことをご了承ください>。
末筆ではありますが、○○様の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。株式会社○○○○ ○○(人事)部
署名

誤った態度をとってしまえば、すぐにSNS等で拡散されて炎上してしまうご時世であり、採用者と応募者という関係は無くなっても、今度は会社と顧客という立場に変わるということを忘れずに、最後まで常識ある対応が求められます。

自社の印象が好印象で終われるように努めましょう!

【無料DL】内定承諾を勝ち取る施策

内定辞退されないために、オワハラには該当しない内定承諾を”勝ち取る”施策を一挙に公開します。すぐに効果のあるものからじわじわと効果を発揮するものまで全部で12の施策をまとめていますので、ぜひご確認ください。

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【資料の主な内容】

  1. 内定承諾に向けたフォローの必要性
  2. 内定者の気持ちについて
  3. 求められる内定者フォローとは?
  4. 内定承諾獲得に向けて実施すべきフォローの4 つの軸
  5. 内定承諾につながる施策例

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まとめ

以上が今回の「内定辞退」に関しての記事となります。

内定後の辞退を少しでも防ぐ為には学生の辞退に至る理由をきちんと理解することです。また、その理由を事前に潰していくことが重要です。
接時には他社の選考状況や、どの条件を重視するのか、早めに確認して、可能な限り自社の出せる条件を早めに提示してください。

また、定期的に内定者フォローを行い、ターゲット人材を4月の入社するその日まで、しっかりと囲い込んでいきましょう!

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