採用コンサルティング会社とは、企業に合わせて最適な採用戦略を立案し、採用実務の遂行から人材の入社後サポートなどを事業として行なっている会社です。
今回は採用コンサルティング会社がどういったサービスを提供しているのか、どんな採用業務を任せることができるのかなど、採用コンサルティングの基本についてご紹介します。
採用コンサル会社に依頼できるサービス内容
採用コンサルティング会社に依頼できる業務内容は企業によって異なり、一口に採用コンサルティングと言っても、運営会社や自社サービスの保有有無、中途採用または新卒採用のどこに強みがあるかが異なる点を押さえておく必要があります。
採用コンサルティング会社のサービス例
- 採用計画、戦略の立案
- 採用ターゲット決め
- 求人媒体の選定、窓口業務
- エージェント対応
- スカウト代行
- 応募者の対応、 面接日程の調整および連絡
- 面接代行
- 入社前後のフォローアップ、 オンボーディング施策の提案および実行
- 作業全般の歩留まり改善施策の企画、提案 など
採用コンサルティングとしてスカウト代行や面接代行をメインとする会社もあれば、実務面のサポートよりもアドバイザリーに重きを置いている会社もあります。その他にも、求人広告の総合代理店などが、媒体提案とセットで採用コンサルティングを行っているケースもあります。
ここでは、多くの採用コンサルティング会社がサービスとして行っている以下の４つのサービスについて説明します。
1：採用戦略の提案
採用コンサルティングは、まず採用を経営戦略の中にどう位置づけるかというところから始まります。
何のために採用を行うのかを明確にし、それを経営トップはじめ全社員で共有していくことが重要です。
新卒採用であれば、採用することで会社全体をどうしていきたいのかがはっきりしていなければ、どのような人材を採用すべきかは決まりませんし、学生に対して自社のどのような面をアピールしていくのかも決めることができません。
自社を客観的に見直すことが必要な作業だけに、自分たちだけでやるよりも第三者である採用コンサルティング会社の意見を聞きながら進めることが、正解への近道となることが多いのです。
2：採用戦術の提案
採用戦略、採用人材像の定義などを受けて、どのように欲しい人材を採用するのかという作戦を立てていくのが、採用戦術立案の段階です。
具体的には、採用時期やスケジュールの決定、選考基準やアセスメント方法（面接を何回行うか、適性試験を組み合わせるかどうかなど）の選択。さらには母集団形成のためのメディア選定や原稿内容の検討などを行います。
近年注目されているSNS（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）採用や外国人採用など、新しい採用スキームを取り入れる場合には、この段階で検討していくことになります。
3：経営者へのフィードバック
採用戦略の段階と深く関わってくることですが、良い人材の採用を成功させるためには、優秀な人材が働きたいと思える「良い会社、良い職場」を作ることが大前提であります。
表面だけを良く見せても、入社後に定着しなかったり、モチベーションが低下したりするなど、「ミスマッチ」の問題が発生すれば、結局採用は失敗だったということになりかねません。
採用コンサルティングでは、せっかく採用した人材を定着させることや、その育成までを視野に入れ、良い会社づくりの提案を含めて行うケースが多いです。
4：採用実務アドバイス
採用戦術の決定を受けて、実際の採用プロジェクト（実務）の段階で発生するさまざまな課題に対応するアドバイスを行います。
会社説明会やインターン、面接官トレーニングなどは企画だけでなく、実際に運営、指導まで請け負うケースもあり、アウトソーシング（採用代行）を主体にコンサルティングまで行う会社との境界線は、それほど明確ではなくなりつつあります。
また、個別に面接にまで立ち合い、選考や内定出し、入社意欲を高める口説き、内定後フォローなどの判断、タイミング、内容についてのアドバイスを行う場合もあります。
採用アウトソーシングとの違いは？
採用コンサルティングと採用アウトソーシングは混同されやすいですが、厳密には提供サービスが異なります。
コンサルティングとは本来、相談に乗ることやアドバイスをするという意味を持ちます。つまり採用コンサルティングとは、 企業ごとの採用課題を抽出し、悩みをヒアリングし、企業ごと個別に細やかなアドバイス（助言）を実施することを指します。
一方アウトソーシングは「外注」「請負」の意味合いが強く、企業の指示通りに動くこと、つまり採用業務をそのまま業務委託などで請け負うことを指します。採用アウトソーシングの方が、発注元の指示に従って動くという意味合いが強くなります。
採用コンサルティング導入のメリット
続いて採用コンサルティングを導入することのメリットを確認してみましょう。
第三者目線のアドバイスがある
採用コンサルティングのメリットの一つは、複数の業界や職種にまたがった客観的な採用のノウハウを活かした、第三者目線のアドバイスを受けられることです。
自社の採用チームのほうが、意思疎通が取りやすいと思う方も多いと思いますが、様々な業界・職種の採用活動から得られた情報をもとに、客観的なアドバイスをもらえるのは大きなメリットといえます。
ノウハウがなくても効率的な採用活動ができる
また、社内で採用人事を育てる時間やノウハウがない企業にとっては、採用コンサルティング会社の活用が役立ちます。業務が必要な時に採用のプロに依頼できるため、非常に効率的です。
採用コンサルティング導入のデメリット
採用コンサルティング会社に業務を依頼することはメリットばかりではありません。デメリットもあるので、きちんと把握しておきましょう。
採用コストがかかる
あたりまえのことですが、自社で全部賄えば、費用は人件費だけですが、外部に依頼すればその分採用コストは増加します。また、選び方を失敗すると、採用コンサルティング会社の使い方によっては、自社の採用人事に任せるよりも費用がかかりすぎる場合もあるので注意が必要です。
ノウハウがたまらない
採用に関わる全ての業務を採用コンサルタントに任せてしまうと、自社にノウハウがたまらないというデメリットもあります。
採用コンサルティング会社の選び方
採用コンサルティング会社はどのように選んだら良いのでしょうか。採用コンサルティングサービスを比較検討する際のポイントをお伝えします。
１、相談目的を決める
まずは自社の課題を洗い出し、採用業務の何について相談したいのか目的を定めます。
単純に人手が足りず採用業務の一部分を任せたいのか、 採用計画そのものを見直したいのかによって、最適な採用コンサルティング会社は異なります。
採用コンサルタントと言っても、 採用計画や戦略の部分が得意なコンサルタントもいれば、スピーディーな候補者対応や面接対応を得意とするコンサルタントもいます。
また採用人数や依頼したい業務範囲によっては、発注が難しい採用コンサルティング会社もあります。
２、予算を決める
採用コンサルティング会社の利用料金は月額数万円から百万円単位のものまでピンキリです。スカウト本数や面接回数によって細かく価格を決めている会社もあれば、月額30万円で採用業務はすべてになってくれるような価格設定もあります。
まずは自社内でどのくらいの費用を採用コンサルティング会社にかけたいのか見積もってみましょう。
採用コンサルティング会社の比較5選
最後に、代表的な採用コンサルティング会社を5つご紹介します。
キャリアマート
20年以上新卒採用に特化した採用コンサルティングサービスを提供しています。
採用ロボットの活用や、採用ツールの作成など独自のノウハウを持ち合わせており、年間約600社の採用コンサルティングに携わっているため、最近の学生トレンドや分析情報を豊富に保有しています。
キャリアマートでの主な採用コンサルティングサービス内容
年間を通して人事の方と二人三脚で採用成功を目指すキャリアマートに、採用コンサルティングを依頼するなら、採用アウトソーシングとセットで依頼するのがおすすめです。一緒に奔走することで、他ではあまり身につかないとされている採用に関するノウハウも、得ることができます。
株式会社マイナビ
大手人材会社として、北は北海道から南は沖縄まで全国各地で採用支援が可能です。 採用支援の実績は40年以上となり、とりわけ直近では新卒採用領域とアルバイト領域の採用支援に強みを持ちます。 新卒のナビサイトで培った豊富な採用データを活用して、企業ごとに最適な採用計画を立案します。 他の採用コンサルティング会社ではなかなかカバーしきれない、面接官やリクルーターの育成支援なども対応しています。
ネオキャリア
大手人材会社の株式会社ネオキャリアの採用コンサルティングサービスは、中途新卒アルバイト採用全てに対応しています。 土日祝日夜間の電話対応などにも柔軟に対応してくれるので安心です。 今まで1万社以上の実績もあり、幅広い業界職種に対応しています。
株式会社カケハシソリューションズ
新卒採用・中途採用の採用支援を行っています。特に採用直後の研修実施や、オンボーディングのフォローも任せることが可能です。 新卒採用で行う合同企業説明会の企画や運営を任せることができるので、大幅に作業負担を軽減することが可能です。また説明会などで利用するパンフレットや動画制作も依頼ができます。
株式会社クイック
クイックの採用コンサルティングサービスは、ネオキャリアと同様幅広い業界や職種に対応が可能です。総合人材会社として、人材派遣や求人広告人材紹介などをワンストップで提供しています。複数の人材サービスで培ったノウハウを活かして、採用ツールの選定から組織人事コンサルティングまで幅広くサービス提供しています。
まとめ
「採用コンサルティング」とは採用を成功させる為に必要なすべてのプロセスや経営と採用の接点となるあらゆる場面が採用コンサルティングの対象となります。
そのため、範囲はとても広いです！従って、コンサルティング会社によって、この全てに関わる場合もあれば得意分野に特化している場合もあります。
採用コンサルティング会社は、人手やノウハウが足りない企業の採用業務をサポートしてくれる強い味方です。人事の業務が多すぎる、採用のノウハウがない、競合他社に負けないオリジナルの採用戦略を練りたいと言った企業様は、ぜひ採用コンサルティングサービスを活用してみましょう。
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