企業の情報発信ポイント!学生が重視する内容とは?

企業情報 発信

新卒採用のツールが多様化している昨今、学生は何を使って企業を調べているのでしょうか。

  • 「Z世代の学生って何を考えているのか分からない!」
  • 「志望度が高い学生が全然エントリーしてくれない」

このようなお悩みを抱えている人事の方に向けて、Z世代と呼ばれる学生達は、どんな情報を求めているのか解説していきます。

さらに本記事では、学生が情報収集に使っている手段や、学生に効率よく自社を発見してもらうための発信方法、学生が求めている情報を徹底解説しているので、ぜひ参考にしてください。

企業の情報発信の重要性が高まっている理由

企業の採用情報発信の重要性

誰でもインターネットに触れることのできる今、企業の情報発信の重要性が高まっています。

今まで、就活時に学生がしている情報収集と言えば、大手就活ナビサイトや企業ホームページ経由からが一般的でした。

しかし、現在のZ世代の学生は、先の2つに加えてYouTubeやFacebook、Twitter、InstagramなどのSNS等を活用し情報収集をしているため、企業もさまざまなツールに対応し、幅広く情報発信を行っていかなければなりません。

近年、売り手市場が深刻化しており、学生は多くの企業の中から自分に合った企業を探し出すものになっているため、学生が求める情報を的確に発信していくことが重要になっています。

そのためには、自社が伝えたい情報よりも学生が知りたい情報を中心に伝えることが必要です。

学生が企業に求めている情報

学生が企業に求める情報

画像引用:PR TIMES

社会や企業の悪いニュースばかりが流れる中、働くことに対してポジティブに捉えているZ世代の学生は、残念ながらそう多くはいません。逆に不安を大きくしている学生が多く、昨今耳にする内定ブルーなどの言葉は、そんな学生が抱える不安を表している言葉になります。

そのような不安を感じている学生は、企業のどんな情報を求めているのかについて、調査データを参考にしつつ解説していきます。

1日の仕事の流れ

学生が一番求めている情報は、一日の仕事の流れとなっています。

学生から社会人への第一歩を踏み出す就活生は、右も左も分からない状態であるため、よりリアルな情報を求めています。出勤してから退勤するまでの動きを詳しく記載することで、働くことに対してのイメージが湧きやすくなります。

また、文章だけでなく実際に働いている社員の写真等を掲載することで、より深く仕事の流れを理解させることができ、不安の払拭にもつながっていきます。

福利厚生

一日の仕事の流れの次に多かったのが、福利厚生です。

福利厚生の中でも学生から人気があるものとして、住宅手当、食事補助、特別休暇の3つが挙げられます。重視されるポイントとしては、今後の人生に金銭的な不安を抱えていることから、金銭的な不安を解消したいという学生が多いようです。

社内の人間関係

3番目に求められている情報は、社内の人間関係となっています。

入社前から社内の人間関係や雰囲気を知りたいと思う学生は多くいます。というのも、入社後に自分がどんな社員たちと一緒に働き、どのような関係を築くことになるのかを社員同士の人間関係からイメージしやすくなるからです。

また、就職みらい研究の学生調査によれば、社内の人間関係について知りたいと思った学生が43%だったのに対し、実際に知ることができたと回答したのは27.6%(※)と、15,4%の差があります。

そのため、企業側は情報を開示したと思っていても、学生には伝わっていない可能性があり、訴求するのが難しいような情報となっています。

※参照:就職みらい研究所

学生側の企業選定のポイント

いまどきの学生は企業選定の際に、どのような点を重視しているのでしょうか。ここでは、学生の企業選定のポイントを見ていきましょう。

学生が企業に安定性を感じるポイントとは?

就活生の企業選びの軸として、「安定している会社」が4年連続で一位となっています。そんな学生が考える「安定している会社」にはどのようなポイントがあるでしょうか。

企業の安定を感じるところ画像引用:マイナビキャリアリサーチラボ

学生のアンケート結果によると、安定性を感じるポイントとして、以下の三つが上位を占めています。

  1. 「福利厚生が充実している」
  2. 「安心して働ける環境である」
  3. 「売上高」

この上位3つのものは、いずれも安心して働ける環境が整備されていることや、企業の業績が良好かどうかといった安心して働ける環境かどうかに安定性を感じていることが分かります。

先ほどの発信してほしい情報にも記載してありました福利厚生は、安定性を感じるものとしても大きな割合を占めているので、今の学生が一番重視しているものは福利厚生だと言えます。

逆に言えば、「大手企業」であることや「知名度が高い」ことだけでは、学生からの安心感を得ることは難しいというような市況感となっています。

学生が行きたくないと考えるポイント

学生から安定していると感じられる企業とは逆に、安定感を感じず、この企業には行きたくないと学生から感じられてしまうポイントはどこにあるでしょうか。

行きたくない会社のポイント

画像引用:マイナビキャリアリサーチラボ

学生から行きたくはないと感じられる企業の特徴として、ノルマのきつそうな企業、暗い雰囲気の企業、転勤の多い企業等が挙げられています。

実際に、03~19卒までは、暗い雰囲気の企業が1位となっていましたが、20卒からはノルマのきつそうな企業が1位となっています。

これは安定している会社の特徴でも挙げられた、「安心して働ける環境」の裏返しとなっており、きついノルマに追われながら、精神的に追い込まれるのは嫌だと考える学生が増加したことが要因です。

また、結婚後の仕事をどのように考えているかという質問に対して、男性で約6割、女性で7割超と「夫婦共働きが望ましい」と回答していることも、行きたくない企業のポイントとして転勤が多いことが挙げらた要因となっています。

最近の学生が情報収集を行う場所

就職みらい研究所が調査した内容では、学生が実際に就職活動中に参考・活用したメディアの上位3つを見ると、「ホームページ」(79.1%)、「就職情報サイト」 (77.0%)「メールマガジン」(46.1%)(※)なっています。

※参考:就職みらい研究所

企業ホームページを質素な作りにしたり、就職情報サイトに力を入れてなかったりすると学生から魅力的に映らないかもしれません。

また、大学や就職情報企業が主催する合同説明会も約30%と、割合としては少なくないといえます。しかし、Twitter(X)やInstagramなどのSNSやYouTubeなどの動画配信サービスから情報収集を行う学生も一定数いることがわかります。

学生が情報収集を希望する場所

企業に対して情報発信を求める場所

画像引用:PR TIMES

また、これは企業側にどんなSNS、メディアで情報発信してほしいかというアンケート結果ですが、トップ3はTwitter、YouTube、Instagramとなっています。

YouTubeやTwitter、Instagramともに企業が採用やブランディングのためのアカウントを作成して運用する例が近年増えており、学生も情報収集源として定期的にチェックしていると考えられます。

また、就活ナビサイトは、募集要項や採用スケジュールなど、必須情報のチェックとエントリーとして利用されることが多く、そこでは得られない情報を求めてSNSで検索する学生が増加しています。

企業が採用情報を発信するための主な手法

採用情報の発信手法

今まで学生が求める情報について触れてきましたが、実際に学生たちはどんなツールやサイトから企業の情報収集をしているのでしょうか。

学生が情報収集に使っているのは、主に以下の8つです。

  1. 就職ナビサイト
  2. 自社ホームページ
  3. 逆求人型の就活情報サイト
  4. オウンドメディア
  5. メールマガジン
  6. YouTube・TikTok
  7. SNS
  8. 採用関係のイベント

それぞれの手法の特徴ついて詳しく解説していきます。

就職ナビサイト

冒頭では、大手就職ナビサイト以外で情報収集する学生が増えてきているとお伝えしましたが、学生が就職活動で主に使うものとしては、やはり大手就職ナビ媒体が挙げられます。

24卒の登録学生数で見ると、マイナビで約61万人、リクナビで48万人(2023年3月)となっているので、就職活動を行うほとんどの学生がナビ媒体を活用している現状です。

ここで発信すべきものとしては、基本的な企業情報から実際の仕事内容の流れなどの幅広い情報を掲載することが重要になります。

自社ホームページ

自社HPも学生が重要視するものとなっています。

BtoCや知名度の高い企業であれば、直接学生がHPから情報収集することも考えられます。しかし、BtoBや知名度が低い企業など、学生からの認知を得ることが難しい企業であれば、ナビサイトにURLを記載したり、導線を多く持ったりすることがポイントです。

逆求人型の就活情報サイト

ここで指している逆求人型の就活情報サイトは、DR(ダイレクトリクルーティング)サイトで、企業側から学生へスカウトを送るツールです。

認知していない学生へスカウトを送るものとなっているので、先ほど紹介した学生が求めている情報と組み合わせて自社のアピールポイントを記載することがポイントです。

新卒採用でおすすめのダイレクトリクルーティングサイトについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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オウンドメディア

ここでいうオウンドメディアはウェブサイトや自社ブログ、パンフレットや広報誌も部類されます。

ウェブサイトや自社ブログでは、エントリー後の学生に対し、より魅力を訴求するものとして効果的です。また、パンフレットや広報誌は、直接学生に魅力を訴求するものではなく、学生の親に対し安心感等を訴求するものとして効果的です。

採用オウンドメディアのメリット・デメリットや、始め方、成功事例についてこちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

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メールマガジン

一度だけ接触するのではなく、定期的に情報を伝えることのできるものがメールマガジンです。

これはエントリー増加を図るものではなく、エントリーしてくれた学生へ、自社の魅力訴求を行うものとして有効策となっています。学生のフェーズに合わせて発信する内容を変えることで志望度や入社意欲を高めることが可能です。

YouTube・TikTok

就職活動中の学生含め、多くの若者が利用している動画サイトでも企業の情報発信は求められています。

文章だけでは伝わりにくい企業の魅力やリアルな雰囲気を伝えやすい点がメリットで、ブランディングとしても効果的です。YouTubeやTikTokでは、企業情報のようなものではなく、実際に働いている社員の雰囲気や会社自体の雰囲気が分かる動画を発信するのがおすすめです。

YouTubeを採用活動に利用するメリットや成功事例など、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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SNS

SNSに関してはTwitterやInstagram等が主流です。

YouTube・TikTok同様に多くの若者が利用するツールであり、企業ホームページや就活ナビサイトなどでは分からないような企業の情報を得たいと考える学生が多く、SNSではよりリアルな意見が得られることから、情報収集源として学生から重宝されています。

また、メールマガジンと同じく、学生のフェーズに合わせてSNSで発信する内容を変えることで志望度や入社意欲を高めることが可能です。

Instagram採用について気になる方は、始め方や注意点を紹介しているこちらの記事を参考にしてください。

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採用関係のイベント

各媒体で行われているイベントに参加している学生は、就職活動に対して意識が高く、選考参加率も高いため、いかに本選考に進んでもらえるかが重要です。

ここで学生が求めている情報としては一般的なものではなく、詳細な業務内容や企業理念等の、自社の特徴が分かるような情報です。

採用イベントの一つである「ミートアップ」のメリットとデメリットについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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まとめ

今回は企業が学生に向けて発信すべき内容や、企業の情報発信ポイントについて説明しました。この記事が貴社の採用において、本ページの情報が少しでもお役に立てれば幸いです。

上記では触れませんでしたが、学生は、自分自身がその企業に共感するかどうかを判断するために、企業理念やビジョン等の社会的役割についても知りたがっています。このような情報を掲載することで、学生は企業に対して興味を持ち、やりがいのある仕事に応募することができます。

しかし、就職活動を行っている学生のほとんどが初めて社会に足を踏み入れる社会人一年生になるので、誰でも分かるような言葉で説明することがポイントですよ。

また、新卒採用で説明会から面接に進む割合の低さに課題を感じている方は、下記の自社の魅力をうまく伝える方法についての資料もあわせて参考にしてください。

  • 説明会で学生に興味を持ってもらうための手法
  • 説明会の雰囲気づくりのカギ

上記以外にも、学生目線に立った情報を盛りだくさんでお伝えしていますので、ぜひ活用してください。

「自社の魅力を伝えたい」についての資料はこちらから

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