秋採用を実施すべき企業は?どんな学生が参加するのか?

秋採用とは

現在、少子高齢化社会が進んでいるという要因も加わってか、新卒学生自体の人数は減っており、新卒採用の場は求人数の方が多い「売り手市場」となっています。

大手企業であれば求職者と求人者のバランスが取れ採用活動もスムーズにいくかもしれません。一方、人手不足が深刻な問題となりやすい中小企業においては、新卒学生の採用活動が困難だと感じている場合も少なくないでしょう。

しかし、大手企業だからといって常に条件通りの人材が見つかるという保証はどこにもありません。春先だけでは結果が得られず、次の採用時期まで欠員が続くという可能性も考えられます。そういった事態を回避するためにもぜひ注目したいのが、春採用で新卒学生の内定が決まり始める9月ごろに行う「秋採用」です。

今回は秋採用の特徴や、秋採用を取り入れた方がよい企業のほか、実施する際のポイントなどを併せて紹介しましょう。

秋採用とは?

秋採用とは?説明秋採用とは、秋に行われる採用活動のことです。

春~夏の時期にかけて行う採用活動で新入社員が規定数に満たなかった場合や、内定辞退によって欠員が出てしまった企業が実施するケースが主になります。通年の採用スケジュールと秋採用が重複する場合もあります。

通年採用との違いは?

通年採用は年間を通して常時採用活動を行うのに対し、秋採用や春採用といった一括方式では時期を限定して採用活動を行うスタイルです。

日本経済団体連合(以下経団連)が2018年に改定した『採用選考に関する指針』によると、選考活動の解禁日は6月1日、採用内定日は10月1日以降となっています。この指針に則り、6月から選考開始・10月1日には内定式を行う企業も多いようです。

秋採用や春採用では採用に関する日程が固定されるため企業側のスケジュールが立てやすく、通年採用は企業ごとに採用活動の采配を行いやすいといえるでしょう。

内定辞退者が出た場合、通年採用であれば人材を補充しやすいという特徴がありますが、一括採用は採用予定人数の不足を防ぐため、内定者へのフォローが重要となる場合もあります。

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通年採用の拡大に関する学生・企業の反応は!?

秋採用のスケジュール・開催時期

採用活動は、一般的に春からスタートする企業がほとんどです。しかし秋採用は、学生の夏休みが明ける時期の9~10月以降にかけて採用活動を行うことが多いようです。

時期が明確に決まっているわけではないため、企業によっては12月初旬ごろまで採用活動を継続する場合もあります。

秋採用を実施する目的

企業が秋採用を行う際、どのような目的を持って実施するのでしょうか?順に見ていきたいと思います。

採用予定人数を下回っているため

採用活動を行っているほぼすべての企業が、事前に採用予定人数のノルマを決めてから採用活動を行います。

しかし、自社にフィットする人材が少なかった、応募者が集まらなかったなど、諸事情によって採用人数が予定を下回ってしまうケースも多く、結果秋採用を実施する企業もあります。

内定辞退者の欠員をカバーするため

採用予定人数は確保できたものの、内定を出したあとに辞退する学生が多かった場合、基準をクリアできなくなります。

どの企業もさまざまな事態を想定して予定よりも少し多めに採用しているはずですが、予想以上に内定辞退者が続出すれば、場合によっては秋採用が実施されます。

欲しい人材を確保するため

就活は春からスタートする学生が多いですが、春採用時は留学しており、秋採用シーズン前に帰国し就活を始める学生もいます。海外に留学することで得られる経験も少なくありません。

こうした経験や知識のほか、最後でやり遂げた部活動で培った忍耐力・統率力などのスキルを重視している企業にとっても、秋採用は向いているといえるでしょう。

秋採用に参加する学生の特徴

秋採用、参加学生の特徴

次に、秋採用を実施した際、参加する可能性が高い新卒学生の特徴についてお伝えしましょう。

就活に対し前向き

春に就活をしていたにも関わらず内定が出なかった学生は、就活を継続します。秋採用を実施している企業へとシフトチェンジし、アプローチする学生もいるでしょう。

「内定がほしい!」と思いながら就活を続けているため、秋採用にも前向きに参加してくれます。

目標意識が高く、意欲的

一般的に就活は春から開始し、早くて6月に内定が出れば就活を終える学生がほとんどです。

秋採用シーズンまで就活を続けているということは、自身によりフィットする企業を追及し続けているということ。目標意識が高く、意欲のある学生が多いといえます。

研究や留学、部活動での経験が豊富

研究などが忙しかった、留学中だった、部活動を最後までやり遂げたなど理由があって春採用で就活ができなかった学生は、秋採用で就活を行うこともあります。

遅れて就活をスタートするため就活に関する知識は浅くなりますが、同時に「研究や部活動で培った経験を強みとしてアピールできる学生」ともいえるでしょう。

秋採用をした方がよい企業の特徴

秋採用を実施している企業には、どんな特徴があるのかを紹介します。

ベンチャー系・外資系企業

ベンチャー企業や外資系企業は一年を通して採用を行うケースが多く、採用活動が秋シーズンと重複する場合もあります。

実力主義のため即戦力となる人材を求める傾向にあることと、採用スケジュールにとらわれず、より良い人材を確保する目的で、通年採用や秋採用を実施している企業が多いようです。

中小企業

中小企業の求人は春~夏にかけて多くなります。しかし、応募が0件、内定辞退者が続けて出るなどなかなか思うように採用活動が進まないこともあります。

希望通りの人材が見つかりにくいときは、秋採用も実施した方がよいでしょう。

大手企業

「春先の一括採用で採用活動が終了する」というイメージを抱く人も多い大手企業でも、秋採用を取り入れることをぜひおすすめします。

優秀な人材はいつ何時現れるか分かりません。常に求人をかけておくことで、人材の取り逃がしを回避することができますよ。

秋採用を開催するときの手段

秋採用を開催するときの手段

ここでは、秋採用で学生を獲得するための手段について紹介します。秋採用を逃してしまうと後がないため、いかに確実に採用活動を進めていくかがカギとなります。

春〜夏採用との違いを知り、採用活動の見通しを立てる

新卒学生が集中しやすい春〜夏採用と異なり、秋採用では一部の限られた人材からの応募が多くなる傾向にあります。

秋採用ならではの特徴を知ることで、学生へのアプローチ方法や採用活動の進め方の見通しが立てやすくなります。

就活エージェントを活用する

ニッチな業種である、知名度が低い企業など、秋採用を実施しても応募が少ない場合は、就活エージェントを積極的に活用するのがおすすめです。

就活エージェントは学生のスキルや性格などトータルな目線を持って企業とのマッチングを行います。そのため、自社によりフィットした人材を効率よく探すことができます。

学生に聞いてみる

すでに内定を出した学生以外にも追加で採用を予定している場合、内定を出した学生もしくは入社1年目の社員に「まだ就活を続けている友人・知人・後輩はいないか」と聞いてみるのも一つの手です。

友人らと就活について情報交換している学生は多いです。なかなか面と向かって聞きにくいことかもしれませんが、ぜひトライしてみてくださいね。

秋採用で採用成功するためのポイント3つ

最後に、秋採用を成功させるために注力すべきポイントをお伝えします。

柔軟に対応する

秋採用はそもそも応募者が少ないという特徴があります。母集団の数が増えないことには、選考しようにも難しいかもしれません。学生から応募があれば集団ではなく個別で面接をするなど、柔軟に対応していきましょう。

面接は念入りに行う

秋採用時は、内定辞退者が出るとその後の補填が難しくなるため、面接に対してより力を入れることをおすすめします。

秋採用で応募してくる学生は、他社の選考に落ちている・すでに内定を辞退している可能性が高いほか、自社が第一志望ではないことが多いです。また、インターンシップや春からの選考を通して良くも悪くも場数を踏んでいる学生たち揃いです。

つまり何が言いたいかというと「学生側も企業を見る目が養われている」ということです。

自社で頑張ってくれそうな人材を見つけるためにも、志望動機やどんな理由で他社の選考に落ちたのかなどをうまく聞き出せるよう、面接は念入りに行うようにしましょう!

丁寧に対応する

学生から投げかけられた疑問点には的確に回答する、学生が何か不安を抱えている・学生から相談された場合には親身になって話を聞くなど、丁寧に対応するようにしてください。

特に最近は、承認欲求が強い学生が多い印象です。

評価ポイントをフィードバックすることでより関心をもってもらいやすくなります。2~3年目の若手社員との座談会を開くことで、数年後自分がどうなっているかイメージしやすくなるため、入社意思を上げる施策としてとてもおすすめです!

また、内定後のきめ細やかなフォローによって、承諾から入社までの間に起こる「内定承諾後辞退」を防ぐことができますので、ぜひ、他社のフォロー事例などを参考に対応してみてください!

内定フォロー事例CTA

まとめ

今回は、秋採用のいろはについてお伝えしました。

一般的な就活のスケジュールでは、早ければ夏には内定が出ている状況です。しかし、留学などの関係で秋採用に就活を行う学生は一定数いますので、「優秀な人材が確保できなかった…」と諦めるのは早計です。紹介したポイントなども参考に、自社でも秋採用を取り入れてみてください!

▼秋の採用活動の手段として「オータムインターン」というものも存在しています。本記事で紹介した「秋採用」とは何が違うのでしょうか?

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