採用マーケティングとは?3分でわかる必要なファネルと重要性

採用マーケティングとは

さて、今回のテーマは採用マーケティング。最近は耳にする機会も増えたのではないでしょうか。

売り手市場が続き採用が難しくなった昨今では、デジタルツールを活用した採用活動や採用マーケティングという新たな手法が注目されています。

今回は採用マーケティングとは何か、取り入れるメリットや期待できる効果について解説します。

採用マーケティングとは?

採用マーケティングとはそもそもマーケティングとは、営業活動を概念化したものです。
簡単に言うと、顧客と自社製品(サービス)の価値をそれぞれ理解し、どのように市場に価値を届けるべきかを理解して、実際に市場・顧客へ届け、自社に利益をもたらすこと、及びそのための戦略・戦術そのもののような概念です。

では、採用マーケティングとはなにか?と言いますと、その「採用版」です!

顧客を⇒「採用したい人」に、自社製品を⇒「自社そのもの(働くメリット)」にそれぞれ置き換えた考え方です。

採用したい人と、自社の価値をそれぞれ理解し、どのように採用市場に価値を届けるべきかを理解して、実際に採用したい人へ届け、採用したい人に入社してもらうこと、そのための「戦略」「戦術」そのもの。どうでしょう。

置き換えれば、とらえやすくはないでしょうか。

ではマーケティングを、どのように採用版として活用していくのか?これまでの就活と今の就活を比較して見ていきましょう!

昔~これまでの就活【オフライン就活】

かつての就職活動は、今とは全く違う様相でした。
電話帳ほどの就職情報誌を見て採用を行っている企業を探し、ハガキによる資料請求、就職課を通じたOB・OG訪問の実施、そしてようやく選考へ…

情報を得るには、チャネルもその内容も限定的、且つ今よりも厳しい「就活ルール」のスケジュールで行われておりました。

現在~これからの就活【オンライン就活】

それが今や空前の売り手市場。プラス、インターネットの進化は進み、チャネルは多様化しています。メール、SNS、Webサイトを通じて、いつでも・どこでも・誰でも(年次に関わらず)、情報収集が可能になりました。

また、口コミサイトなども充実したため、現職・前職に関わらず、企業の内情が公開されてしまう状況になったことも以前との大きな違いです。
終身雇用神話が崩れた今、「なんのために働くのか?」を軸に、就職活動を行う求職者は、転職のみならず新卒市場にも数多くなりました。

採用マーケティングが注目される背景

採用マーケティングが注目された背景には大きく分けて三つの理由があります。

少子高齢化による労働人口の減少

働き手が年々減少傾向にあるために、従来の採用手法では自分の人材獲得が難しくなってきました。今までの採用手法では採用コストが膨らむ一方で、優秀な人材は特に取り合いが続いています。こうした状況下で戦略的に人材獲得をするために、マーケティングのプロセスや概念を取り入れた新たな採用手法にトライする企業が増加しました。

採用のデジタル化

二つ目にデジタル化が進み、採用活動そのものがオンライン化していることも採用マーケティングを後押ししている理由の一つです。スマートフォンの普及率が増加し、今まで紙媒体で行っていた履歴書や職務経歴書の作成もワンクリックで完結する時代になりました。

企業が使う採用ツールも大部分がデジタル化され、 Web 媒体やSNSなどを活用した採用が一般的になっています。Webツールを活用することで、採用周りのデータが蓄積されデータドリブンな採用活動ができるようになったことも、採用マーケティングを後押しした理由の一つです。

価値観の多様化

三つ目に、働き手の価値観が多様化した点も挙げられます。

新卒の一括採用や、終身雇用といった概念が崩れ、一人ひとりが個性を尊重した働き方を希望するように変化しました。今までのように一遍通りの採用活動では通用しなくなったことから、マーケティング手法を取り入れる必要性が出てきたのです。

採用マーケティングに欠かせない「ファネル」

ファネルとは日本語で漏斗(ろうと)のことで、すり鉢状の逆三角形肩の器具を指します。

マーケティング用語では、この逆三角形に、消費者がサービスを購買するまでの意識変化を当てはめたものをファネルと呼びます。採用マーケティングにおけるファネル例は、次の図の通りです。

採用ファネル

画像引用:HirinGeek

採用ファネルの一番上、大きな部分は候補者からの認知を指します。

企業の存在を知り、求人情報に興味を持つフェーズが認知となります。企業が候補者が動機づけしていくと、候補者が求人の検討段階に入り採用ファネルが次のステップに進みます。

求人の検討段階から応募選考へと進み、内定から入社に至るフェーズでは採用ファネルの逆三角形の頂点へと進みます。

採用のペルソナ

採用マーケティングを行う上で必ず押さえておきたい用語にペルソナがあります。

ペルソナとは、商品・サービスを購入してくれるであろうターゲット層を意味します。ペルソナを決める際は、年齢や性別、ライフスタイル趣味嗜好、家族構成や仕事内容まで架空の人物に対する情報を非常に細かく決める点が特徴です。採用マーケティングのペルソナ設定の例は以下の通りです。

ペルソナ例

山田太郎さん

神奈川県横浜市在住、独身一人暮らし

世帯年収450万円

食品メーカー勤務、営業職5年目(新卒から入社し同期が止めるなか転職を検討中)

趣味、特になし。休日はほとんど家に引きこもっているインドアタイプ

性格、営業職のため取引先の前では明るく活発だが、神経質な性格で転職を考えてはあまり積極的には動けないタイプ

潜在的なニーズ、給与が頭打ちになっていることが気になっているため、ポストが空いていて役職に就きやすいような企業があれば話を聞いてみたいと思っている。

このように採用のペルソナ設定では、「今現在転職活動をしているのか」「転職や仕事に対してどのような価値観を持っているか」など、詳細にわたり設定をします。ペルソナ設定で決めたターゲット層に訴求する内容を洗い出し、求人広告や採用広報に活かしていきます。

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採用ペルソナ

採用マーケティングの重要性

採用マーケティングの重要性とにもかくにも、様々な要因が伴って、採用したい人材の確保はより難しい市場になったと言えます。

求人広告を「えい!やー!」で打ったとしてもなにも響かず、人材要件の明確化と、そのターゲットに対する訴求方法や時期、訴求内容も含め、「戦略」と「戦術」に切り分けた計画立てを行うことが重要となりました。

では、「戦略」と「戦術」は、どう違うのでしょうか??パッと見、似たような感じが否めないですが、実は違います。
ここを理解しているか、していないかで、計画は大きく変わります!

「戦略」≠「戦術」

さらりと出しましたが、そもそも「戦略」と「戦術」の違いはなんでしょうか?

「戦略」=目的達成のためのシナリオ

戦略⇒総合的な準備、計画、運用の方策で、目的達成のためのシナリオ

「この職種には、理系の、しかも情報系学生が必要だ!どうやら、この分野の学生の就職活動時期は早い。よし、インターンシップ時期からターゲットへ向け広報を開始しよう!」

「戦術」=戦略実現のための手段・具体的な方法

戦術⇒戦略実現のための手段、具体的な方法

「実際に行うこととして、理系学生向けの合説に出展し、当日は自社のエンジニアを張り付け、直接業務を説明してもらおう!」

つまり、マーケティングの順序として、施策決定が一番初めに来るのはおかしいわけです。なので、まとめると、この順序で計画を立てていくようにするとGOODです!

従来の採用活動との相違点

従来の採用活動と採用マーケティングの最も大きな違いは、「候補者をいかに集めるか」という考え方でなく「候補者に自社を選んでもらうためにどのような仕組みづくりをするか」という視点で取り組む前です。

採用マーケティングでは、狙った人材から応募が集まる仕組みづくりに注力をします。今までのように採用イベントに参加したり、求人広告を出したりするなど「何をやるか」に重きを置いた採用活動とは全く異なります。

採用マーケティングの取り組みメリット

採用マーケティングに取り組むメリットを以下に解説していきます。

採用にかかるコストを削減できる

採用マーケティングでは採用ターゲットを明確化し、ターゲットに合わせて絞り込んだ情報を発信します。そのため、広く浅く募集をかける従来の求人広告とは異なり、ピンポイントで狙った人材を採用することで結果的に採用コストを下げられる可能性があるのです。

ミスマッチが起きにくくなる

企業側が「求めている人材はこういう人材です」と明確化し提示することで、見当違いな応募は来にくくなり、ターゲット人材と出会える確率が高まります。ターゲット人材の応募数を増やせるだけでなく、自社を理解した上で応募してきてくれているため、選考から入社に至るまでのプロセスにおいても他社への流出を防げる可能性が高まります。

採用マーケティングの具体的な実践内容

採用マーケティングのステップここからは具体的に採用マーケティングの進め方について解説していきます。

採用マーケティングの具体的なステップ

まずはじめに、自社の状況を分析した上で、先の章で解説した採用ファネルやペルソナ設定に取り組んでいきます。具体的なステップは次の通りです。

  1. 自社の採用状況の分析
  2. 採用ターゲット(ペルソナ像)の設定
  3. 採用ターゲットのニーズ調査
  4. 採用ターゲットへのアプローチ方法の検討、採用ファネルの作成
  5. 採用施策の実施、効果検証

採用マーケティングの具体的な施策内容

一見ややこしい採用マーケティングの施策ですが、ある程度、共通する戦術もございます。具体的に言いますと、この4つです。実は、意外とサクッと実施できたりもするので、今一度、内容をチェックし、採用活動へ活用してみてください!

■採用ホームページの作成とコンテンツのテコ入れ
■メールマガジンの配信
■SNSやショートメールによる訴求
■各施策が「どのターゲットに」「どの程度訴求できているか」の分析

ターゲットはデジタルネイティブな学生であること各企業の採用情報が市場に溢れていて、ターゲットに直接届けられる方法が限定されていることなどが背景にあります。

飽和する採用市場においては「ターゲットへの効率的な訴求」が大事になるわけですね!

採用マーケティングの成功事例

最後に、採用マーケティングに取り組んだ企業事例をご紹介します。

株式会社カミナシの取り組み

株式会社カミナシは、採用マーケティングの中でも特に採用コンテンツの制作に力を入れて、3ヶ月で約20本の記事コンテンツを制作しました。

会社の良い面だけでなく、候補者にとってデメリットとなり得る10もオープンに情報開示を試みました。また、候補者の転職意向度に合わせた採用イベントのコンテンツ作りにも注力し、中長期的な取り組みで候補者が集まる仕組み化を進めています。

まとめ

採用マーケティングは、求人広告を出したり人材紹介会社に頼ったりするなど「何をやるか」に重きを置く従来型の採用活動とは異なり、「どうやったら採用ターゲットが集まってくれるか」という視点で採用の仕組みづくりを行う活動です。

採用活動にマーケティング視点を取り入れ、デジタルツールを活用することで、コストを抑えながら狙った人材をピンポイントで集めることが可能になるでしょう。

まずは自社の課題分析や、採用ターゲットを明確化することからはじめてみてください!

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